古刹と竹林と教会、池をめぐって学大へ

西小山から学芸大学へ、
仁王さまと竹林と教会をめぐる散歩道

文:LocationLog編集部公開:2026年11月3日情報の確認日:2026年11月3日
すずめのお宿緑地公園の竹林の小道
すずめのお宿緑地公園
大理石の柱とステンドグラスが並ぶサレジオ教会の聖堂
サレジオ教会(カトリック碑文谷教会)

東急目黒線の西小山駅から、東急東横線の学芸大学駅まで。住宅街の中を歩いてつなぐと、黒い仁王さまが守る古刹、竹林に囲まれた江戸時代の古民家、ステンドグラスが彩る教会、ボートの浮かぶ池が、次々に現れます。

歩く時間は合わせて1時間ほど。最後は学大の商店街で、食事やお酒を楽しみましょう。都内とは思えない景色と、街のにぎわいを一度に味わえる散歩道を紹介します。

1. 円融寺黒仁王さまが守る古刹

円融寺の仁王門と、その奥に見える本堂
円融寺の仁王門

西小山駅から住宅街を歩いて15分ほどで、円融寺に着きます。慈覚大師が開いた法服寺に始まると伝わる天台宗の寺院で、天保5年(1834年)に今の円融寺の名になりました。

まず出迎えてくれるのが仁王門です。門にまつられた黒漆塗りの金剛力士像は永禄2年(1559年)の作で、江戸時代には「碑文谷の黒仁王」と呼ばれ、江戸の人々の信仰を集めました。門には今もわらじが奉納されていて、仁王さまへの信仰が続いていることを感じられます。像は東京都の、仁王門は目黒区の有形文化財です。

門をくぐると、参道の先に、室町時代の建築とされる本堂(釈迦堂)が見えてきます。国の重要文化財です。木々に囲まれた静かな境内を、ゆっくり歩いてみてください。

2. すずめのお宿緑地公園竹林と江戸時代の古民家

古民家の薄暗い室内から見た明るい庭
すずめのお宿緑地公園の古民家

円融寺から歩いて8分ほどで、すずめのお宿緑地公園に着きます。かつて目黒の名産だったタケノコの栽培を伝える竹林を生かした公園で、昭和のはじめごろ、この竹林がスズメのねぐらになっていたことが名前の由来です。

竹林の中の小道に入ると、都内とは思えない景色が広がります。まっすぐに伸びる竹が光をやわらげ、思わず写真を撮りたくなる場所です。

園内には、旧衾村で代々「年寄」の役を務めた栗山家の主屋が移築・復元されています。江戸時代中期ごろの建築と考えられる古民家で、目黒区の有形文化財です。中に上がって見学でき、昼間でも暗い室内に入ると、江戸時代の暮らしを肌で感じられます。見学のあとは、庭を眺めながら軒下でひと息つくのもおすすめです。敷地内での飲食はできないので、気をつけましょう。

3. サレジオ教会ステンドグラスに彩られた祈りの空間

サレジオ教会の聖堂の壁に並ぶステンドグラス
サレジオ教会(カトリック碑文谷教会)

すずめのお宿緑地公園から歩いて5分ほどで、高い鐘楼が見えてきます。1954年に献堂されたカトリック碑文谷教会で、「サレジオ教会」の名で親しまれています。高さ36mの鐘楼をもつ、ロマネスク様式の聖堂です。

聖堂の中は静かで、心が洗われるような空気に包まれています。イタリア産の大理石の柱が並び、壁面にはキリストの生涯などを表したステンドグラスがはめ込まれています。祭壇の装飾や天井画は修道士ジャコモ・フェラーリの手によるもので、祭壇の左には白い大理石の「ピエタ」があります。日本にいることを忘れるような、非日常の時間を過ごせる場所です。

聖堂は祈りの場です。ミサなどの妨げにならないよう、静かに見学しましょう。モデル撮影や商業撮影はできません。写真を撮るときは教会の案内に従い、祈っている方の妨げにならないよう心がけましょう。

4. 碑文谷公園池のほとりでひと休み

碑文谷公園の弁天池に浮かぶボート
碑文谷公園

サレジオ教会からそのまま学芸大学駅へ向かうのもよいですが、せっかくなら、歩いて12分ほどの碑文谷公園に立ち寄ってみましょう。1933年に開園した歴史のある公園で、中央の弁天池は、もとは碑文谷村が共同で使っていた、水田に水を引くためのため池でした。

池ではボートをこぐカップルの姿も見られ、まわりのベンチでは、思い思いにのんびり過ごす人たちがいます。池に浮かぶ小島には厳島神社がまつられ、太鼓橋で渡ることができます。園内の「こども動物広場」では、ウサギやモルモットとふれあえます。

5. 学芸大学駅周辺の商店街学大で食事とお酒を

人が行き交う学芸大学駅西口の商店街
学芸大学駅周辺の商店街

碑文谷公園からは、東急東横線の高架沿いを歩いて8分ほどで学芸大学駅に着きます。駅は1927年に「碑文谷駅」として開業し、近くに東京学芸大学があったことから、1952年に今の名前になりました。

駅のまわりには、学芸大学西口商店街や学芸大学東口商店街など、いくつもの商店街が広がっています。駅の高架下には「学大市場」や「学大横丁」があり、さまざまな店が並びます。いろいろなジャンルの食事やお酒を楽しめるので、ランチの時間に合わせて着くのも、夕方に着いて一杯楽しむのもよいでしょう。

1952年創業の洋菓子店「マッターホーン」は、学芸大学のこの一店舗だけで営業を続ける人気店です。人気のバウムクーヘンをはじめ、どの商品も手作りで、一日に作る数に限りがあります。どうしても手に入れたい方は、午前中に学芸大学駅から逆の順に歩き始めるのもおすすめです。

モデルコース西小山から学芸大学まで、歩いて1時間ほど

  1. 西小山駅(東急目黒線)歩いて15分ほど
  2. 円融寺 ── 黒仁王の仁王門と本堂にお参り歩いて8分ほど
  3. すずめのお宿緑地公園 ── 竹林と古民家を見学歩いて5分ほど
  4. サレジオ教会 ── 静かな聖堂でステンドグラスを眺める歩いて12分ほど
  5. 碑文谷公園 ── 池のほとりでひと休み東横線の高架沿いを歩いて8分ほど
  6. 学芸大学駅周辺の商店街 ── 学大で食事やお酒を楽しむ

サレジオ教会から直接帰るなら、学芸大学駅・都立大学駅(どちらも東急東横線)まで、歩いて15分ほどです。マッターホーンのバウムクーヘンがお目当てなら、学芸大学駅を午前中に出発する逆回りもおすすめです。

地図の点は、この記事で紹介したスポットの位置です。