寺と森と商店街をめぐる半日散策
目黒から戸越銀座へ、
寺と森と商店街をめぐる散策


目黒駅から東急目黒線でひと駅。不動前駅で降りれば、江戸から続く古刹、都会の真ん中の森、そして東京一長いともいわれる商店街が、歩いてつながっています。
羅漢像に向き合い、お不動さまに手を合わせ、森の空気を吸ってから、下町の商店街で食べ歩きを楽しむ。そんな半日散策のコースを紹介します。
1. 五百羅漢寺300年前の羅漢像と向き合う

不動前駅から最初に訪ねたいのが、「らかんさん」として親しまれる天恩山五百羅漢寺です。元禄8年(1695年)に本所(現在の江東区)で創建され、明治41年(1908年)にこの地へ移ってきました。
見どころは、松雲元慶禅師が江戸の町を托鉢して集めた浄財をもとに、十数年をかけて彫り上げた羅漢像です。現存する305体は、木造釈迦三尊とともに東京都指定有形文化財になっています。像は一体ごとに表情もしぐさも異なり、自分に似た羅漢や、お気に入りの「推し羅漢」を探しながら歩くのも楽しみ方のひとつです。
拝観は有料です。境内は原則として撮影できず、仏像の撮影はできません。開館時間や料金は、訪問前に公式情報で確認してください。
2. 目黒不動尊江戸の人々が通ったお不動さま

五百羅漢寺から歩いてすぐのところに、目黒不動尊(泰叡山瀧泉寺)があります。寺の縁起では大同3年(808年)に慈覚大師円仁が開いたとされ、目黒・目白・目赤・目黄・目青の「五色不動」の一つにも数えられます。
境内では、円仁が法具の独鈷を投じた場所から湧き出たと伝わる「独鈷の瀧」が今も流れています。江戸時代には三代将軍・徳川家光の信仰を受けて堂塔が再建され、江戸近郊でも有数の参詣行楽地として門前町もにぎわいました。
仁王門をくぐって石段を上がると、本堂が見えてきます。毎月28日はお不動さまの縁日で、境内と門前にお店が並びます。日程を合わせて訪れるのもおすすめです。堂内は撮影できないので、心静かにお参りしましょう。
3. 林試の森公園都会の真ん中で森林浴

参拝を終えたら、その足で林試の森公園へ向かいます。目黒区と品川区にまたがるこの都立公園は、明治33年(1900年)から林業試験場として使われていた土地を整備し、1989年に開園しました。
敷地は約12ha、東西約700m・南北約250mの細長い形です。試験場時代に植えられた国内外の木々が大きく育ち、幹回り3mを超える大木も多く見られます。芝生広場のクスノキの大木は公園のシンボルです。池のまわりにはラクウショウの森が広がり、住宅街の中とは思えないほどの自然を感じながら散策できます。
紅葉は例年11月下旬から12月上旬ごろが見頃です。晩秋にこのコースを歩けば、色づいたケヤキやラクウショウに出会えます。公園の反対側へ抜ければ、武蔵小山駅までは歩いて15分ほどです。
4. 武蔵小山の商店街下町の空気の中でランチ

森を抜けたら、武蔵小山の商店街へ。駅前から延びる「武蔵小山商店街パルム」は全長約800m。200を超える店が並びます。アーケードがあるので、雨の日でも歩きやすいのがうれしいところです。
食料品店から雑貨、飲食店まで、さまざまなお店がそろっています。人気のお店を探して、ここでランチにするのがおすすめです。再開発でタワーマンションが増えた駅周辺とは対照的に、商店街に入ると昔ながらの下町の雰囲気が残っています。
パルムを抜けて中原街道を渡れば、すぐに戸越銀座の商店街が始まります。
5. 戸越銀座商店街名物グルメの食べ歩き

散策の締めくくりは戸越銀座商店街です。全長約1.3km、300を超える店が軒を連ねる長い商店街で、全国にある「〇〇銀座」の元祖ともいわれます。関東大震災で壊滅した銀座のレンガを譲り受け、水はけの悪かった道に敷いたことがその名の由来です。
ここでの楽しみは、名物グルメの食べ歩きです。
- おでん:おでん種の専門店「後藤蒲鉾店」では、できたてのおでんを味わえます。
- 戸越銀座コロッケ:商店街の名物で、お店ごとに工夫を凝らした個性的なコロッケが並びます。後藤蒲鉾店ではおでん種を包んだ「おでんコロッケ」も人気です。
- から揚げ:「中津からあげ渓 戸越銀座本店」や「鶏&デリ 戸越銀座」で、揚げたてを頬張れます。
- ソフトクリーム:「シロクマカフェ」はいつも人だかりができる人気店です。甘いもので食べ歩きをひと休みしましょう。
夕方には車の通行が止まる「お買い物専用時間帯」があり、ゆったり歩けます。食べるときはお店のスペースを利用し、ゴミは持ち帰るなど、地元のルールを守って楽しみましょう。
モデルコース寺と森と商店街をめぐる半日
- 目黒駅 ── 東急目黒線で1駅、不動前駅で下車
- 五百羅漢寺 ── 羅漢像を拝観歩いてすぐ
- 目黒不動尊 ── 独鈷の瀧と本堂にお参りそのまま歩いて
- 林試の森公園 ── 大木の森を散策武蔵小山駅まで歩いて約15分
- 武蔵小山商店街パルム ── アーケードの商店街でランチ中原街道を渡って
- 戸越銀座商店街 ── 名物グルメの食べ歩き
帰りは、商店街の中ほどにある戸越銀座駅(東急池上線)のほか、戸越駅(都営浅草線)や戸越公園駅(東急大井町線)も歩いて行けます。毎月28日の縁日や、11月下旬から12月上旬の紅葉シーズンに合わせると、さらに楽しめます。
地図の点は、この記事で紹介したスポットの位置です。